殿が笑った。俺もつられて笑った。
それを見て、官兵衛殿も少し笑う。
伝染する気持ちが、たまらなく嬉しい。
二人とも、俺の大切な人。
が怒っている。理由がわからず私も苛立つ。
何故か半兵衛も混ざって、売り言葉に買い言葉。
まるで子どもの喧嘩だな。
おまえたちが、嫌いじゃない。
手が空いているときは、少し付き合え。
話をするのなら聞いていてやる。
おまえと半兵衛がいると、騒がしくて仕方ない。
けれど、それも悪くはないと思えてきた。
描く泰平には、おまえたちがいる。
殿が泣いてた。俺も泣きたくなる。
だけど堪えて笑いかける。泣かないでって、笑ってみる。
殿が寂しいなら、俺はいつだって飛んでいくから。
官兵衛殿も呼んで、三人で昼寝でもしようよ。
が泣いていた。どうすれば良いか、私にはわからない。
とにかく黙って、ずっとその背を撫でていた。
寂しいのなら傍にいてやる。私で良いかはわからんが。
半兵衛も呼べば、泣き止ませ方がわかるかもしれん。
俺の声で殿の心が癒えるなら、俺はいつでも殿を呼ぶよ。
私の声でおまえが救われるなら、私は何度でもおまえの名を呼ぼう。
俺が寂しいときは、あと少し付き合って。
傍で話を聞いててくれない?
殿と官兵衛殿がいれば、なんでもできる気がするんだ。
いつか離れ離れになったとしても。
俺はずっと、光になって見守っているから。
と半兵衛がいなくなれば、私の周りは静かになる。
殿と官兵衛殿がいないと、俺は本当に寂しい。
つまりそういうことだ。
できることなら、ずっとこのまま三人で。